無線 LAN 環境をようやく整えたので、少し速度比較をしてみました。1 枚では比較にならないので、国内メジャーメーカである IO DATA と、無線 LAN カードでは結構長く使われているのではないかと思われるメルコのカードを利用しました。
- IO DATA WN-B11/PCM
- MELCO WLI-PCM-L11
テスト内容
ある程度サイズの大きいファイルをネットワーク経由でコピーする、という単純な方法を取りました。テストに利用したファイルは、手元に転がっていた中で小さすぎない物を、ということで JDK 1.3.1 の tarball を使いました。ファイルサイズは 29,876,595 バイトです。
ファイルのコピーには、手間を省くために scp を利用して行いました。単純に 10 回連続で以下のコマンドを実行するだけです。
% csh -c '(time scp -i ~/.ssh/identity ~/files/j2sdk-1_3_1-src.tar.gz www.alib.jp:files/) >>& speedtest.tmp'
実際には、ファイルのコピー以外にもkeyのやり取りや名前の解決などが行われていますが、実際に目に見えて差が出る程の時間がかかるようなものではないです。
いや、scp はファイルのコピー前に 1 秒未満ではあるけど、体感できるウェイトが入るか? (^^;
テスト環境
最適な環境、という状態ではありませんが、以下の様な環境上で行いました。
- ファイル送信側
SHARP Mebius PC-PJ2-X3 FreeBSD 4.4-RC1
- ファイル受信側
自作 AT 互換機 (Pentium 600MHz/FSB133) FreeBSD 4.4-RC1
どちらの環境でも、ipfw でファイアウォールを動かしています。また、特にプロトコルスタックを指定していないため、IPv6 で行われていますが、IPv4 でも速度差は出ないかと思います。
測定結果
IO DATA の WN-B11/PCM は、入れると標準で DS/2Mbps で認識しますので、参考記録としてこの場合の速度も記載しておきます。
- WN-B11/PCM autoselect (DS/2Mbps)
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WN-B11/PCM DS/2Mbps 平均時間 (秒) 2:47.913 転送レート (Mbps) 1.36 - WN-B11/PCM DS/11Mbps
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WN-B11/PCM DS/11Mbps 平均時間 (秒) 1:07.637 転送レート (Mbps) 3.37 - WLI-PCM-L11 DS/11Mbps
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WLI-PCM-L11 DS/11Mbps 平均時間 (秒) 1:01.357 転送レート (Mbps) 3.71
さすがに経験の差か、メルコ製の無線 LAN カードが高速ということになりました。しかし、IO DATA のカードは標準のままだと 2Mbps にされてしまい、非常に悲しい速度で動作しますので、「認識した、良かった、使える」ではなく、しっかりと速度を変えておきましょう。/etc/start_if.wi0 に ifconfig wi0 media DS/11Mbps を入れておくと良いかもしれません。
ifconfig wi0 media DS/11Mbps は、wicontrol(8) の機能が ifconfig(8) にマージされたバージョンからしか使えません。man ifconfig してみて、確認してみてください。なお、RELEASE バージョンでは 4.4-RELEASE からとなります。それ以前の方は wicontrol -i wi0 -t 11 とすることで、同等の速度設定にできます。man wicontrol してみてもこの速度は出ていませんが。